こんにちは。じゃっくです。
某広告系企業で採用担当やってます。
採用担当をやっていて説明会や面接で非常に多い質問が以下の2点です。
Q1.転勤はありますか?転勤は多いですか?
Q2.勤務地の希望は(どの程度)叶いますか?
何百回と聞かれた質問ですが、就活生の皆さんにとってそれほど住む場所というのは重要な要素ですよね。
私も十数年前、入社時の勤務地発表の前には「どうか東京本社勤務になりますように・・・」と強く祈っていた記憶があります。
※ちなみに私は九州・関西・北陸・関東に住んだことがあり、今となってはあまり住む地位に拘りはありません
転勤と希望勤務地の現状
転勤の現状
日本にはどの程度の企業で、転勤を伴う異動があるのでしょうか?
少し前のデータですが、「企業の転勤の実態に関する調査(※)」という資料では、
「(A)正社員(総合職)のほとんどが転勤の可能性がある」企業が33.7%、「(B)正社員(総合職)でも転勤をする者の範囲は限られている」企業が27.5%、「(C)転勤はほとんどない(転勤が必要な事業所がない)」が27.1%となっています。
※出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構HP 「企業の転勤の実態に関する調査(平成29年度)」https://www.jil.go.jp/institute/research/2017/174.html
つまり、全体(上記のA+B)として見れば約7割ほどの企業で「転勤の可能性がある」ということになります。
その一方で、一般的な感覚としては、7割もの人が転勤を経験しているというイメージはないのではないでしょうか?
会社員以外の職業(自営業・医療関係者・地方公務員・教員・その他専門職等)の場合は、転勤がないケースもあります。
また、上記の調査では「転勤の可能性がある割合は規模が大きくなるほど高くなる」という調査結果も出ており、大企業ほど転勤可能性が高いことが示唆されています。
希望勤務地が叶う確率
こちらに関しては、あまり参考になる調査データがありませんでした・・・。
そもそも勤務地が複数無い企業、希望をとっていない企業もあると思いますし、
「希望」・「叶う」という言葉の定義や何を分母とするのかが難しい側面があると思います。
例えば「東京勤務希望」として提出したAさんとBさん。同じく東京配属希望が叶った場合も、
Aさん:「やった!希望が叶って中野支店勤務になった」
Bさん:「大手町支店が良かったのに、中野支店勤務になってしまった。希望が叶わなかった」
となるケースもあります。
また、企業によっては希望勤務地を第3希望まで提出させるケースもありますし、関東・関西のようにかなり広いエリアを単一の勤務地エリアとして扱うケースもあります。
参考になるか分かりませんが、私の会社のケースを記載します。
私の会社は総合職採用で、北海道〜九州まで全国50箇所以上に拠点があり、都道府県別に希望勤務地を確認しています(一部、同一都道府県内で2箇所以上勤務地があるケースもあります)。
そして、勤務地希望が叶う割合は60%〜70%です。年によっても違いますが、感覚的には半分よりは多いイメージを持っています。
まずは企業情報を確認しよう
まずは就職サイトや企業ホームページ(採用関連ページ)を見てみましょう。
マイナビ・リクナビなどの就職サイトの場合、必ず「勤務地」の情報掲載があります↓↓
上記の企業は全国(北海道〜九州)に勤務地があるケースです。細かな住所は記載がないですが、場合によっては企業HPを確認すれば拠点が分かるケースがあります。
研究所や工場勤務などがある場合は具体的に●●工場のように記載があるケースもあります。
また、スーパーやドラッグストアなどの小売店や不動産会社のような業態は同一県内で複数店舗を経営しているケースも多く、単純に●●県で1拠点とは限りません。
勤務地=配属・転勤の可能性
さて、勤務地として記載があるからと言って「配属される可能性や転勤になる可能性があると言えるのか?」という疑問も上がると思います。
結論としては、「勤務地に記載がある=配属・転勤の可能性がある」と想定してください。
これは採用担当として絶対の基準だと思いますが、配属・転勤の可能性がなければ記載しません。
採用する側から見て、基本的に全国転勤や全国配属というのは募集要件においてプラスに働きません。新卒採用でも中途採用でも「全国転勤があるから」という理由で応募してくれない・辞退されるというケースは非常に多いです。
それでも記載があるということは配属・転勤の可能性がゼロではないということを表しています。
職種やコース毎に勤務地・転勤有無が異なるケースもある
同じ企業であっても募集職種やコース別に勤務地が異なるケースがあります。
例えば製薬メーカーの場合、以下のように職種によって勤務地が異なります。
・MR(営業職):東京本社ならびに全国の支店
・製造技術職:●●工場、▲▲工場
・臨床開発職:東京本社
・研究職:●●研究所
・システム/データ分析職:東京本社
上記のようにメーカーやインフラ系の企業の場合は工場・研究所などの開発・製造拠点を持っているケースが多いです。
また、大手の金融系企業などはエリア総合職や一般職と呼ばれる勤務地や転勤が限定されるコースを設けている場合もあります↓↓
その他、大手の旅行代理店などもエリア毎にグループ企業が存在しており、実質的には各エリア別の採用となっているケースもあります。
但し、エリア総合職や一般職は入社後のキャリアアップや待遇面について総合職より劣るケースがほとんどです。待遇面の詳細は、説明会や選考などで確認するようにしましょう。
勤務地や転勤が限定的である企業を探す場合は、職種・コースも含めて検討することが重要です。
転勤の可能性が無い場合は言及・記載がある
上記のコース別採用の事例もそうですが、転勤の可能性が無い・限定的な場合には必ず言及・説明があるはずです。
前述しましたが、「勤務地限定」「転勤無し」のキーワードは自社採用にとって有利に働くからです。
就活生や求職者にとっても魅力的である条件は必ず記載しますし、採用広報で前面に打ち出しています。私の企業は総合職コース採用のみで全国転勤有りですが、採用担当としては「勤務地が約束できれば」「エリア総合職採用があれば」もっと採用活動が楽になるのに・・・と考えたことが何度もあります(勤務地や転勤については会社の経営判断・人事制度設計判断に依存しますので、採用都合や就職都合だけで良し悪しは言えませんが)。
したがって、勤務地や転勤有無に拘りがある人は、まずは採用情報を細かく確認しましょう。
勤務地の欄に記載のないエリアに勤務する可能性は排除して構いませんし、転勤なしと明確に記載がある場合はある程度その前提条件があると判断できます。
勤務地や転勤を限定的にできる企業は?
さて、勤務地に拘って就職活動を考える場合にどういった企業が選択肢に入るのか?
最終的には個別企業の条件に因りますが、オーソドックスな事例をご紹介します。
専門職種
上述しましたが、専門職は勤務地が限定されているケースが多いです。
理系職種(研究開発職、エンジニア、生産管理・生産技術系、システムエンジニア、WEBエンジニア、データサイエンティスト)ならびにバックオフィス系職種(法務、知的財産管理、経理、人事、総務)についてはある程度勤務地が限定されているケースが多いです。
バックオフィス系職種はほとんどが本社勤務のはずですし、研究や生産管理なども研究所や工場勤務が前提であるケースが大半です。
但し、募集そのものが少なく倍率が高かったり、理系修士卒が条件など高い専門性が求められます。また、開発会社のシステムエンジニア(SE)はクライアント企業への常駐型SEであるケースもあり、クライアント企業の立地によっては転勤などが発生する場合もあるため注意が必要です。
地方企業
地方在住で地元に就職したい場合は、地場の企業が選択肢になるでしょう。
地銀・信金などに代表されますが、メーカー、商社、流通小売、サービス業、インフラなど、地方にも多くの優良企業が存在します。
一部、県外やエリア外に拠点を持っている企業もあるため注意は必要です(例えば地銀でも、東京や海外に支店を持っているケースがあります)が、基本的には県内やそのエリア内に勤務する確率は高くなります。
一方で、業界や企業の選択肢は限定的になります。規模の大きな企業(メガバンク、総合商社、重工業系のメーカー等)は少なく、業種によってはその地方に存在しない場合もあります。
中小企業やベンチャー企業
冒頭の「企業の転勤の実態に関する調査(※)」ならびに前述の地方企業の事例にも当てはまりますが、基本的には規模の大きさと勤務地の広さは相関関係にあります。従って、規模がコンパクトな中小企業やベンチャー企業の方が拠点数が少ない傾向にあります。
勤務地以外の部分でも働く環境などの面で中小企業やベンチャー企業が合うというケースもあると思いますので、選択肢に入れる価値はあると思います。
注意点としては、今後の事業拡大に伴い全国展開や海外進出などが進められるケースもあります。これは中小企業やベンチャー企業だけではありませんが、現時点で勤務地・拠点が未来永劫続く保証はないということは頭に入れておきましょう。
医療法人・学校法人・個人事務所など
業務内容よりも勤務地に拘りがある場合は、民間企業以外に視野を広げてみることも選択肢になります。病院などの医療法人、大学・専門学校などの学校法人、弁護士・税理士事務所などの個人事務所でも、医療従事者、教員、弁護士、税理士以外に勤務している事務系スタッフが在籍しています。また、民間企業と比較して、業態的に今後の全国・海外展開も想定しにくい職場でもあります。
但し、正社員としての雇用でないケースや待遇面などで劣る場合もありますので、勤務地以外の条件面はしっかり確認する必要があります。また、新卒採用自体を毎年行っていないという法人もあるため注意が必要です。
官公庁・公務員
最後に最もオーソドックスな選択肢ですが、都道府県庁、市町村役場、県警などの官公庁・地方自治体の場合も勤務地は限定的です。
公務員試験の場合は、民間の就職活動とは別途試験対策などが必要になります。従って、就職活動の途中から公務員試験に切り替えることは難しい場合があるため、公務員を視野に入れる場合は早期の段階から準備対策を進めておいた方が良いでしょう。
転勤の頻度が多い企業は?
全国転勤有りの企業であっても「転勤の頻度」に違いはあるのでしょうか。
これは本当にケースバイケースで、企業や人によって事情が異なります。
あくまでも私見になりますが、伝統のある大企業はある程度転勤が前提となる働き方を想定しておいた方が良いと思います。大手金融(銀行・証券・保険)、商社、メーカーなどが代表的です。
理にかなっているとは思いませんが、「昇進するためには海外勤務や地方勤務を経験しなければいけない」という企業文化や慣例は残っている企業もあるはずです。
銀行などは同じ支店に10年以上在籍しているというケースは稀だったりしますし、商社やメーカーは業界によっては海外勤務も有り得ます。その他、不動産やカーディーラーなどの店舗型の企業についても店舗異動などは比較的多い傾向にあります(但し、ある程度エリア限定のケースも多いですが)。
どうしても気になる場合は直接企業側に質問するしかないですが、
「転勤の頻度はどの程度ですか?」
「転勤の頻度は多いですか?」
などの質問について、企業側は明確なデータを持っていなかったり、「人によって違います」という回答が大半になります。
従って、「ジョブローテーション」の有無や頻度を質問してみると良いでしょう。企業文化や制度として定期的な転勤・異動を実施している企業についてはジョブローテーションについても積極的である可能性があるからです。
最後に 〜勤務地・転勤有無の優先順位を決めよう〜
最後になりますが、勤務地や転勤を考える上で一番重要なことをお伝えします。
それは、「優先順位」を決めることです。
希望する業種や職種、仕事のやりがい、企業規模、給与や待遇、社風、その他の福利厚生など、会社選びの上で重要な要素を分解してみましょう。
そのうえで、自分にとって勤務地がどれほど重要か?優先順位何番目ぐらいか?を考えましょう。
前述したとおり、勤務地が限定される仕事を選ぶ場合、一部の専門職種や企業を除き選択肢は限定されます。
限られた選択肢の中で就職活動を進めることが自分にとってベターなのか?
本当に勤務地という視野だけで自分のファーストキャリアを左右させて良いのかどうか?
を考えてみましょう。
私も当初は全国転勤に対してネガティブなイメージがありました。但し、入社して転勤を経験して良かったと思います。そのエリアでコミュニティが広がりますし、新しい刺激や得られる経験も多くあります。
反対に全国転勤有りの企業を選択肢の中に入れる場合は、家族など周囲の人に相談すると良いと思います。家庭の事情によって、地元を離れることが出来ない、転勤が出来ない場合もあります。
私は採用担当として、
「やはり勤務地●●で働ける企業が良い」
「地元を離れる可能性があることに対して親の反対にあった」
という内定辞退理由を毎年聞きます。もう少し早めに確認して動いていれば軌道修正できますし、選択肢も広い状況です。あまり何かに拘りすぎてもダメですが、少なくとも企業検索やエントリーの段階で「勤務地が全国なのかどうか」を判断した上で進めるか決めていきましょう。
皆さんの就職活動に参考になれば幸いです!
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